島根・鳥取旅行3日目に行った加賀の潜戸の新潜戸。

島根・鳥取旅行3日目その1~黄泉比良坂と加賀の潜戸~

シルバーウィークの島根・鳥取旅行、3日目の記録。
出雲大社や博物館などメジャーどころに行った2日目とはうって変わって、この日は、ほとんどマイナーな場所ばかり行きました。
1日目に行った粟嶋神社や静の岩屋のような雰囲気です。

3日目は行った場所が多かったこともあり、長くなってしまったのでその1・その2に分けました。

行った場所のマイナーさは、シルバーウィークなのにどこもほとんど人がいなかったあたりから察して下さい、という感じです。
神話好きな人にとっては、逆に他の人を気にせずじっくり堪能できて、とても良いスポットだと思いますけどね。

黄泉比良坂(よもつひらさか)

 

朝1番に行く場所ではないような、逆に朝で良かったような、そんな黄泉比良坂。
黄泉比良坂というのは、日本神話においてあの世とこの世の境目とされる場所です。

日本神話には、日本の国を生み出した伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)という夫婦の神様が登場するのですが、妻である伊邪那美命は火の神様を生んだ時に大火傷をして亡くなってしまいます。

伊邪那岐命は妻を忘れられず黄泉の国まで会いに行くのですが、「現世に戻れるかどうか聞いてくるから、その間に私の姿を見ないでほしい」と言われます。
しかし、しばらく待たされた伊邪那岐命は我慢できずにのぞいてしまい、腐敗し、変わり果てた妻の姿を見てしまいます。

「見ないでほしい」と行ったのに姿を見られてしまった伊邪那美命は怒って、伊邪那岐命を追いかけますが、伊邪那岐命は様々なものを投げつつなんとか逃げます。
そして、逃げ切った伊邪那岐命は巨大な岩で黄泉の国からの出口をふさぎました。

その場所がこの黄泉比良坂であり、ここにある大きな岩が、黄泉の国と現世の境界に立てられた岩と言われています。

 

そんな黄泉比良坂ですが…

 

島根・鳥取旅行3日目に行った黄泉比良坂。
朝の光の降り注ぐ黄泉比良坂。

朝1番で行っちゃったせいか、光が降り注ぎ、怖さはありませんでした!

なにかイメージは違う気がしましたが、かといって薄暗い時間の雰囲気満点になっちゃっているような状態なんて、見るのが怖いので、むしろ良かったです!

 

加賀(かか)の潜戸(くけど)

 

加賀の潜戸は旧潜戸と新潜戸という2つの洞窟がある場所です。
マリンプラザしまねというところから遊覧船が出ています。
遊覧船は個人だと大人一人(中学生以上)で1500円、およそ50分間の船旅でした。

 

旧潜戸

旧潜戸は賽(さい)の河原とも呼ばれており、幼くして亡くなった子供の魂が集まる場所と言われているそうです。

もともと、「賽の河原」とは仏教系の伝承にある場所で、あの世とこの世の境目である三途の川の河原のことです。
そこでは、親よりも先に亡くなってしまった子供が、親の供養のために石で塔を作るとされています。塔は完成前に鬼が来て崩されてしまうのですが、最終的には地蔵菩薩(俗にいうお地蔵さま)が現れて救ってくださるということです。

「賽の河原」と呼ばれる場所はいくつかあるようですが、ここもその1つのようです。

遊覧船で旧潜戸のある場所に着くと、まず6体のお地蔵さまの安置されたトンネルを通ります。
お地蔵さまに手をあわせつつトンネルをぬけると、たくさんの石が積まれた小さな洞窟にたどり着きました。

島根・鳥取旅行3日目に行った加賀の潜戸の旧潜戸。
旧潜戸。写真右のほうに洞窟がある。

写真は洞窟の手前の部分ですが、こんな感じでずっと石が詰まれていました。

特に、洞窟の中はびっしりと石の塔が並び、「子供たちのために、どうぞ1つでも2つでも石を積んであげてください」と言われても、積む石が探せないほどでした。
何とか小さな小石を1つ見つけて、そっと積みましたが…。

そういえば、 ブログに書き起こしていて気づいたのですが、この日は黄泉比良坂と賽の河原と、連続で「あの世とこの世の境目」に行っているんですね。
黄泉比良坂は日本神話で賽の河原は仏教系と、宗教は違いますが、なんだかすごい1日です。

 

新潜戸

旧潜戸が仏教系の伝承由来だったのに対し、新潜戸は日本神話由来の場所です。
猿田彦命(さるたひこのみこと)という神様の誕生した場所と言われています。

猿田彦命が生まれる時、母神が大切にしていた弓矢が波にさらわれて流されてしまいました。そこで、母神が「私の御子が麻須羅神(ますらがみ)の御子であるならば、失せた弓矢よ出てこい」と祈りました。
(麻須羅神というのはよくわかりませんが、益荒男のような意味だと推測すると、立派な神とか強い神とかそんな感じでしょうか??)

すると角の弓矢が流れてきましたが、生まれたばかりの御子は投げ捨ててしまいました。母神がさらに祈ると、今度は金の弓矢が流れてきました。
御子はその金の弓矢を取り上げ、「暗い岩穴だなあ」と岩穴を射通しました。

そんなエピソードのある新潜戸ですが、本当に一直線に穴が続いています。

島根・鳥取旅行3日目に行った加賀の潜戸の新潜戸。
金の弓矢で射通されたという新潜戸。

さらに、この新潜戸、船でくぐったのですが、入り口と出口の天井から水が落ちてきて、入り口の水は『清めの水』、出口の水は母乳が出るようになるという『お乳の水』なのだそうです。

この辺りにはほかにも『高天原(たかまがはら)』と呼ばれる場所があったり、理由は忘れちゃいましたがにぎやかにして通らなければいけない場所があったり、さまざまな伝承のある場所があって楽しかったです。

 

今回は本当に長くなってしまいましたが、ここまでおつき合いいただきありがとうございました。3日目のその2も近日中に公開しますので、良かったらそちらもよろしくお願いします。

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